うずしおクルーズは、淡路島の南端、福良港から出航しています。毎日数本のクルーズがあり、1本のクルーズが約1時間の長さです。このクルーズでは、他では見ることのできない景色や、最も有名な自然現象の一つである鳴門の渦潮に出会うことができます。渦潮を見ることができる時間は日によって異なり、渦潮は環境によって変化する自然現象であるため、渦潮の大きさは基本的に予測できません。この普段のクルーズも素晴らしいですが、淡路島の食材を使った料理とプロのミュージシャンによる生演奏を楽しみながら、鳴門の渦潮を目の当たりにできるとしたら、こんな贅沢なことはありません。そんな体験ができるのが、この「淡路島うずしおクルーズ特別便サンセットクルーズ」です!そこで、私が実際に体験した「サンセットクルーズ」をご紹介します。乗船から、鳴門の渦潮を初めて見た時の感動まで、順を追ってご紹介します!
サンセットクルーズ体験
クルーズ到着・乗船
港の建物に着くと、すぐにクルーズのチケットカウンターが見えましたが、このクルーズはオンラインでチケットを購入することがおすすめです。渡されたチケットには、鳴門海峡に沈む美しい夕日が描かれていました。一般チケットでの乗船は、チケットの種類に関わらず、スタッフがスムーズに船内に入れるように配慮してくれたので、あっという間でした。旅を始めるのは、2021年から運行を開始したばかりの「咸臨丸」。この船のモデルは、クルーズの乗客にとってはより快適な乗り心地を実現しています。更に、船の最下層に新しいデジタルアトラクションが設置されています!「いってらっしゃい」の掛け声とともに手作りの「大きな手」とパワフルなウォーターキャノンで桟橋のスタッフに見送られ、ウォーターキャノンから美しい虹が生まれていました。私たちは、忘れることのできない船旅に出発しました。
大鳴門橋に向けて出航

渦潮までの道のりは驚くほどスムーズで、ガイドさんがマイクを持って淡路島の成り立ちや周辺の見どころを説明し始めました。現時点では、ガイダンスは日本語のみですが、ガイドマップとビューポイントマップはいずれも英語で提供されており、近い将来、英語のガイダンスサービスも拡大する予定です。このクルーズでは、福良の漁村や周辺のリゾート地、入り江の真ん中にある2つの小島など、さまざまな風景を見ることができます。爽やかな潮風に吹かれながら、船は大鳴門橋に向かって進み、鳴門の渦潮が見えてきました。夕日が渦潮を照らし、まるで主役にスポットライトを当てているかのようです。遠くから覗く鳴門の渦潮は、全体が燃えるような赤色で輝いており、さらに大鳴門橋を望むことができ、その光景は、どんな言葉を並べても足りないほど美しいものでした。
サンセットクルーズでの生演奏
10分ほど海を眺めた後、PASONAグループの地方創生プロジェクト「音楽島(Music Island)」の皆さんによる生演奏が行われました。海を滑るようにゆっくりと鳴門の渦潮まで向かいながら、バイオリンとピアノで、リトルマーメイドの「Part of your world」、耳をすませばの「カントリーロード」、そして魔女の宅急便の「海が見える街」まで、代表的な映画の主題歌をテンポよく演奏してくれました!そして、鳴門の渦潮に到着すると、鳴門の渦潮をさらに印象的なものにしてくれたことに感謝する乗客全員から、盛大な拍手が沸き起こりました。

鳴門の渦潮

演奏が終わって間もなく、いよいよ鳴門の渦潮が目の前に迫ってきました。私のように、渦潮は小さな渦巻きだと思っている人は、初めて渦潮を目の当たりにした時、大きな驚きを感じることでしょう。鳴門の渦潮は、大きい日には直径30mにもなると言われています。渦潮に向かう途中には、「渦の花」と「海の段差」という二つの現象が見られます。「渦の花」は、渦によって海峡に吸い込まれた海水が海底にぶつかって跳ね返り、海面が上昇する現象です。傍目には、渦潮が大きい日には、海が乱れて波立っているように見えるかもしれません。「海の段差」では、太平洋側と瀬戸内海側とが合流する地点で、太平洋側の干潮時に比べて瀬戸内側の満潮時の海水面の差が大きいことがわかります。その高さの差は1.5mにもなり、その名の通り段差のような形をつくり、日本一速い潮流が発生します。この光景は、世界的に見てもかなり珍しく、それだけでも入場料を払う価値があります。写真や映像では伝えきれないほどの巨大な渦潮です。船はとても安全で安心なのですが、それでもクルーズ中は渦潮の押し引きを感じることができ、並外れた自然現象であることをさらに実感しました。このクルーズの特徴は、日中とは全く違う状態の渦潮を目の当たりにすることができることで、その美しさに畏敬の念を抱きました。鳴門の渦潮を間近で見るだけでも圧巻なのに、夕暮れ時のライトアップされた渦潮は、一般には知られていない真っ赤な色に変化しています。私たちは20分ほど渦潮の周りを回り、その風景を目に焼き付け、カメラに収める時間は十分にありました。さらに、私たちは最も美しい光景の一つである “マジックアワー “を見ることができました。マジックアワーとは、夕暮れ時に空がオレンジ色に染まる時間のことで、この時間帯になると、絵に描いたような美しい景色を見ることができます。
生演奏とマジックアワー
船着き場に戻り始める時、再び音楽島の演奏が始まりました。
前回のようなアップビートな曲ではなく、よりトーンダウンしたメロディックな曲で、まるで夕日が降り注ぐ帰り道の静かな雰囲気にマッチしているようでした。私が幸運にも聴くことができた曲は、ハウルの動く城の「世界の約束」、ティファニーで朝食をから「ムーンリバー」、サザンオールスターズの「いとしのエリー」、MISIAの「Everything」などです。演奏が終わると、ガイドさんがアンコールを勧めてくれ、クルーズ全体から歓声が上がりました。私たちのリクエストに応えて、サザンオールスターズの人気曲「TSUNAMI」のカバーが披露されました。そして、船が港に戻る途中、福良港でマジックアワーが終了するのを見ることができました。

一般席から VIP 席へアップグレードする

一般席からも渦潮の素晴らしい景色を見ることができましたが、さらに豪華なクルーズを体験したい方は、5,000円追加でVIP席にアップグレードすることができます!10,000円のVIPチケットは、豪華なVIPルームで、淡路島鶏のソテーや淡路島シラスのガーリックオイルあえなど、淡路島の食材を生かしたお食事をお楽しみいただけます。 メニューは季節によって異なり、新鮮な旬の食材を味わうことができます。料理とともに、淡路島の様々な種類のアルコールと、クルーズにしかないソフトドリンクが提供されています。用意されているアルコールの中でも、淡路島で栽培されたブドウを丁寧に育てて作られたワインがあり、その味わいを引き立たせています。
また、淡路島の暖かく日当たりのよい気候で育てられる「キヌヒカリ」というお米を使って、特別に調合されたビールも提供されています。このビールは、微かな甘みとお米の香りがあり、さわやかな味わいが楽しめます。また、淡路島で醸造された地酒も用意されており、この特別なドリンクを作る際には、職人が究極の日本酒の味を追求したと言われています。
クルーズでは、砂糖や保存料を使用せずに手作りした新鮮なオレンジジュースや、鳴門産の粗塩でコーヒー豆を焙煎することで独特で美味しい味わいを生み出したクルーズオリジナルの塩コーヒーなど、ソフトドリンクも丁寧に作られています。
また、船長や専任スタッフがお出迎えし、普段は立ち入ることのできない操舵室の特別見学や、船長との記念撮影を行います。 さらに、ライブ演奏の前には、出演者自らご挨拶をさせていただきますので、より思い出深い体験ができます。
サンセットクルーズのVIPチケットは、1クルーズにつき14名様までとなっておりますので、お早めにご予約ください!サンセットクルーズのチケットは、期間限定のイベントなので、チケット売り場ではなく、ウェブサイトから購入することをお勧めします。
アクセス方法
淡路島やうずしおクルーズへは、橋があるおかげで、日本全国どこからでも車で行くことが可能です。しかし、もし旅先で車がなくても、他の方法で行くことができるのです。
- 電車・バスで行く
-
大阪からお越しの場合は、大阪駅からJRで西に向かい、舞子で降りて、案内板に従って福良行きのバスに乗ることになります。明石海峡大橋を渡り、島の田園地帯を抜けて、クルーズハーバーの目の前に到着します。帰りも同じ場所にバスが来るので、帰りの電車に乗ることができます。電車もバスもICカードにお金を入れて支払いますが、駅員さんに声をかけると間違いがないように教えてくれます。
- サイクリング
-
淡路島へはサイクリングで行くことができますが、明石海峡大橋は車専用で、この上を通る電車はなく、歩行者は入れませんので、フェリー(自転車持ち込み可)で渡る必要があります。淡路島には、定評のあるサイクリングコースがあります。2~3日あれば、島内を自転車で一周することも可能です。
- まとめ
-
私の体験談を読んで、このクルーズがいかに素晴らしいものか、そして日本を訪れるすべての人にお勧めできるものであるかがお分かりいただけたと思います。鳴門の渦潮を間近で見ることができ、美しい夕日や落ち着いた雰囲気の中での素晴らしい音楽は、一生忘れることのできないものです。映画に出てくるような絶景を体験できる場所は、他にはありません。うずしおクルーズに乗ったことがある人も、初めて乗る人も、この船で待っている荘厳さは知っていると思いますが、夕暮れ時のうずしおクルーズを体験すると、この航海がまた新しいものに感じられるでしょう!